将来、自分がいくら年金をもらえるのか御存知ですか?
私は、つい2年ほど前まで知りませんでした。
周りの友人も、あまり知っている人はいません。
でも、将来設計をする上では年金受給額の把握は大変重要です。
どうして把握すべきなのか、どのようにしたら確認できるのか、記事にしておきたいと思います。
将来受け取れる年金額は把握しておくべきです
何故、年金受給額を知るべきなのか?
一言で言えば、「老後破産しないため」です。
老後というとまだまだ先・・・と思いがちですが、いざ老後が目の前に迫ったときに慌てないよう準備をしておくことが大切です。
また、その準備は早く取り掛かれば取り掛かるほど有利です。
自分たちの生活に老後資金がいくら必要で、いくら資産形成しておくべきなのか?そしてそのためには今の生活費をいくらに抑えて、いくら貯金や投資に回すべきなのか?
こうしたことをしっかり考えて、将来設計を行うことが重要です。
例えば、年金を
①月額25万円もらえる人
②月額15万円もらえる人
③月額6万5千円もらえる人
がいるとします。
それぞれの老後の生活費が25万円で同じとしたとき、老後の備えとして必要な金額はいくらになるでしょうか?
60歳で退職し、65歳から年金受給するとしたときに必要な金額を考えてみます。
①年金で月額25万円もらえる人
下記表に示したように、仮に85歳まで生きた場合、老後に必要な準備額は1,500万円です。
年金で生活費を全てまかなえるので、長生きしても必要準備額は変わりません。
仮に1,500万円を預金等の金利無しで30年間で貯金しようとすると、月額約42,000円の貯金が必要です。
10年間で貯金しようとする場合は、月額125,000円です。
年金受給額 | 生活費 | 収支 | 累計収支 | |
60~65歳まで | 0万円 | 1,500万円 | -1,500万円 | -1,500万円 |
~70歳まで | 1,500万円 | 1,500万円 | 0万円 | -1,500万円 |
~75歳まで | 1,500万円 | 1,500万円 | 0万円 | -1,500万円 |
~80歳まで | 1,500万円 | 1,500万円 | 0万円 | -1,500万円 |
~85歳まで | 1,500万円 | 1,500万円 | 0万円 | -1,500万円 |
~90歳まで | 1,500万円 | 1,500万円 | 0万円 | -1,500万円 |
~95歳まで | 1,500万円 | 1,500万円 | 0万円 | -1,500万円 |
②年金で月額15万円もらえる人
下記表に示したように、仮に85歳まで生きた場合、老後に必要な準備額は3,900万円です。
年金で生活費をまかなえないので、長生きした場合にはさらに多くの金額が必要になります。
仮に3,900万円を預金等の金利無しで30年間で貯金しようとすると、月額約108,000円の貯金が必要です。
10年間で貯金しようとする場合は、月額325,000円です。
年金受給額 | 生活費 | 収支 | 累計収支 | |
60~65歳まで | 0万円 | 1,500万円 | -1,500万円 | -1,500万円 |
~70歳まで | 900万円 | 1,500万円 | -600万円 | -2,100万円 |
~75歳まで | 900万円 | 1,500万円 | -600万円 | -2,700万円 |
~80歳まで | 900万円 | 1,500万円 | -600万円 | -3,300万円 |
~85歳まで | 900万円 | 1,500万円 | -600万円 | -3,900万円 |
~90歳まで | 900万円 | 1,500万円 | -600万円 | -4,500万円 |
~95歳まで | 900万円 | 1,500万円 | -600万円 | -5,100万円 |
②年金で月額6万5千円もらえる人
下記表に示したように、仮に85歳まで生きた場合、老後に必要な準備額は5,940万円です。
年金で生活費をまかなえないので、長生きした場合にはさらに多くの金額が必要になります。
仮に5,940万円を預金等の金利無しで30年間で貯金しようとすると、月額約165,000円の貯金が必要です。
10年間で貯金しようとする場合は、月額495,000円です。
年金受給額 | 生活費 | 収支 | 累計収支 | |
60~65歳まで | 0万円 | 1,500万円 | -1,500万円 | -1,500万円 |
~70歳まで | 390万円 | 1,500万円 | -1,110万円 | -2,610万円 |
~75歳まで | 390万円 | 1,500万円 | -1,110万円 | -3,720万円 |
~80歳まで | 390万円 | 1,500万円 | -1,110万円 | -4,830万円 |
~85歳まで | 390万円 | 1,500万円 | -1,110万円 | -5,940万円 |
~90歳まで | 390万円 | 1,500万円 | -1,110万円 | -7,050万円 |
~95歳まで | 390万円 | 1,500万円 | -1,110万円 | -8,160万円 |
こう見てみると、年金受給額によって、老後のために備えるお金が全く違うことが分かると思います。
ちなみに③の月額6万5千円とは、国民年金を満額受給できたとき(40年間国民年金保険料を全て納めた時)に受給できる金額です。
他の年金に加入していない場合は、これだけしかもらえません。
厚生年金等、他の年金に加入している場合には受給できる金額が増えます。
また、25万円とは、夫婦二人の生活で必要とされると言われている金額です。
勿論、家賃の有無や節約の仕方でこの金額は変わってきますので生活費25万円は多いと感じる方もいらっしゃるかもしれません。
但し、年金生活でも国民健康保険料や介護保険料等の社会保険料や所得税等の税金は納めなければなりませんので、それについても生活費に含める必要があることを予めご承知おき下さい。
老後に必要な金額、これだけのまとまった金額を準備するためには、少しでも早いうちから準備を始めることが重要です。
30年間かけて貯めるのと、10年間しか貯められないのとでは、全く状況が違います。
老後に必要な金額が分かっていると、心構えも変わります。
いざ老後が迫って慌てるのではなく、若いうちから年金額を把握したうえで将来設計を行い、老後資金の準備を始めることが重要です。
どうすれば年金受給額を知ることが出来る?
年金受給額を知るためには、「ねんきんネット」に登録することが必要です。
ねんきんネットは、日本年金機構が運営するWebサイトです。
これに登録すると、いつでも最新の年金記録を確認でき、簡単に年金見込み額を試算することが出来ます。
年金見込み額の試算は、現状の給与で退職まで仕事を続けた場合の金額を算出する簡易計算も出来ますし、もっと細かく、○○歳で仕事を退職し△△歳で年収××万円で再就職した場合、等の細かい条件も入れた詳細な試算することもでき高性能です。
自分のライフプランに近い状態で算出できるので、実際の受給額に近い金額が分かると思います。
1年に1度、誕生月に送付されてくる「ねんきん定期便」にも「これまでの加入実績に応じた年金額」は記載されていますが、これは若いうちにはあまり当てになりません。
加入実績が短いため納付額も少なく、大変少ない金額しか示されていないからです。
実際には60歳までずっと年金を納め続けるため、受け取れる金額はもっと多くなります。
ねんきんネットに登録するには?
以下、簡単にご説明しますが、詳細をご確認したい場合には日本年金機構HPの「ねんきんネット」の利用方法」をご確認ください。
ねんきんネットへの新規登録にはユーザIDが必要ですが、ユーザIDの発行方法はアクセスキーの有無で異なります。
アクセスキーとは何か、ねんきんネットより引用します。
「ねんきんネット」のユーザIDを取得する際に使用する17桁の番号で、この番号を使用してお申し込みをいただくことで、即時にユーザIDを取得できます。
アクセスキーは「ねんきん定期便」でお知らせしていますが、有効期限はお手元に届いてから、約3か月となりますのでご注意ください。
私はこの方法では手続きしたことがないのですが、アクセスキーが手元にあればすぐにユーザIDを取得出来るようです。
但し、基礎年金番号や氏名等の入力は必要です。
アクセスキーが無い場合は、ねんきんネットより「ユーザID発行申込み」を行います。
私はこの方法でユーザIDを発行しました。
こちらの方法でも、基礎年金番号や住所氏名等を入力する必要があります。
また、ユーザIDはその場では発行されず、後日郵送で届きます。
少し手間はかかりますが、ユーザIDが発行された後はそのユーザIDと設定したパスワードで「ねんきんネット」にログイン出来るようになり、年金見込み額の試算も可能になります。
一点、注意点を。
ユーザIDの発行手続きの際に、「秘密の質問」を設定する欄があります。
秘密の質問は、いくつか用意されている選択肢から好きなものを選び、任意の回答を答えに設定するのですが、今後のログインの際には毎回”質問の選択”とそれに対応する”答え”を入力する必要があります。
私はどの質問を選んだか、忘れかけていました😅。
他の金融機関等では設定済みの秘密の質問が表示され、その回答を要求されることが多いと思うのですが、ねんきんネットでは質問を選択するところから行わないといけませんので、どの質問を選んだか忘れないようにご注意ください。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
私は、老後の生活設計には年金受給額の把握が必須と考えます。
正直、私は実際に試算を行い「少ない・・・」と感じ焦りました😖。
まだまだこれから教育費等もかかるし、老後資金をどのように貯めるかは悩みどころですが、幸いまだ時間はあるので、時間を有利に使いながら資金準備を行っていきたいと思います。
また、巷では、「年金なんか当てにならない」「年金を納めても意味が無いから納めない」等の意見を聞くこともありますが、安易にそれを信じることは危険だと考えます。
年金を納めなくても自分だけで年金の受給額以上の金額をしっかり準備出来るのなら良いですが、それは大変難しいです。
年金は、自分が過去に支払った金額を運用して増えていますし、国民年金には税金も投入されているからです。
自分の資金だけでは、よほどの利率で運用しない限り敵わないのでは?と思います。
さらに、現行制度では生きている限り必ず毎年受給出来ます。
これは非常に有難いです。
貯蓄は、使う程に目減りしていくからです。
毎年一定の受給が約束されている年金は、本当に老後の生活の支えになる存在だと思います。
但しこれは私個人の考えですので、将来万が一年金が破綻してしまった場合の責任は負いません。
皆さんもご自分でご判断ください。
私としては、政府は年金が破綻しないように施策を行うはずだ、と信じて年金を納めます。
(もちろん、制度の改変には注意を払います!)
そして、年金の受給額をもとに、老後準備を考えていきたいと思っています。
私の場合は現在の年金だけでは不安なため、今後「確定拠出年金」にも加入して備える予定です(こちらについても後日記事にまとめたいと思います)。
将来年金を受給する予定の方は、将来設計を考える上でも、是非一度見込み額を試算することをお勧め致します。