老後に備えるなら、個人年金よりも断然「個人型確定拠出年金(iDeCo)」!!

「個人型確定拠出年金(iDeCo:イデコ)」って、ご存知ですか?
老後のための年金を自分で準備するなら、民間の個人年金よりも断然iDeCoがオススメです。
iDeCoって何なのか、どうしてオススメなのか、ご紹介したいと思います。

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個人型確定拠出年金(iDeCo:イデコ)とは?

個人型確定拠出年金と企業型確定拠出年金

まず、確定拠出年金には「個人型」と「企業型」があります。
名前の通り、個人型は「各個人が任意で加入出来るもの(但し加入資格あり)」で、企業型は「労使合意に基づき確定拠出年金制度を実施する企業の従業員のみ加入出来るもの」です。
会社に勤めていらっしゃる方で、企業型確定拠出年金に加入している方もいらっしゃるのではないでしょうか?企業型確定拠出年金への加入者数は、2016年3月末時点で548.2万人。2016年10月の雇用者数は5793万人なので、10人に1人くらいは加入している計算になります。

企業型確定拠出年金に加入するかどうかは勤務先の企業によって強制的に決められるものですが、個人型確定拠出年金の場合は企業型とは違い、任意で加入するものです。自らが申し込み手続きを行わない限りは、加入出来ません。
個人型確定拠出年金の加入者数は、2016年3月末時点で25.7万人。現時点で対象者数が4,000万人であるのに対して、加入率は約0.6%。とっても低いんです。
「知っている人だけが得をする制度」とも言われるこの個人型確定拠出年金。
メリットがたくさんあるんですよ

但しこれまで個人型確定拠出年金は、公務員、企業年金のある会社に勤める従業員、主婦などは加入出来ませんでした。でも、2017年1月からは新制度になり、ほぼ全ての方が加入出来るようになります。
私も新たに加入出来るようになった1人です。早速口座開設の準備をしています。

個人型確定拠出年金のメリット

個人型確定拠出年金のメリットは、主に3つ。

1 毎年、所得税と住民税が軽減される!
2 運用して利益が出ても税金0円!
3 年金でもらっても一時金でもらっても一定額まで非課税!

特に、節税メリットは大きいです。

1.毎年、所得税と住民税が軽減される!

個人型確定拠出年金で積み立てた掛け金は、全額が所得控除の対象となります。年末調整や確定申告により、納付した税金が所得と掛け金に応じて還付されるのです。

具体的にいくら節税になるのかと言うと、下表のようになります。

参照元 楽天証券:確定拠出年金とは > 税制優遇について

課税所得 税率 年間節税額
所得税率 住民税率 年間掛け金※1
14万4,000円
年間掛け金※2
27万6,000円
年間掛け金※3
81万6,000円
195万円以下 5% 10% 2万1,600円 4万1,400円 12万2,400円
195万円超330万円以下 10% 2万8,800円 5万5,200円 16万3,200円
330万円超695万円以下 20% 4万3,200円 8万2,800円 24万4,800円
695万円超900万円以下 23% 4万7,520円 9万1,080円 26万9,280円
900万円超1,800万円以下 33% 6万1,920円 11万8,680円 35万0,880円
1,800万円超4,000万円以下 40% 7万2,000円 13万8,000円 40万8,000円
4,000万円超 45% 7万9,200円 15万1,800円 44万8,800円

※復興特別所得税は考慮していない
※1公務員や、勤務先に企業年金がある会社員の加入限度額
※2勤務先に企業年金も企業型確定拠出年金もない会社員や、専業主婦(主夫)の加入限度額
※3自営業者の加入限度額

「課税所得」とは「給与収入」とは違い、扶養の有無や生命保険料等によっても変わってきます。

サラリーマンの税金計算してみたブログ」によると、各給与収入に対する課税所得は下表のようになるようです。
(但しこれはあくまでもサラリーマンでの目安ですので、正確にはご家庭によって異なります。正確な数値を知りたい方はご自分で計算されてくださいね。)

参照元 サラリーマンの税金計算してみたブログ:年収200万~800万の場合の所得税を計算してみた

年収 課税所得
配偶者控除無し 配偶者控除有り
200万円 55.6万円 17.6万円
300万円 111万円 73.3万円
400万円 171万円 133万円
500万円 237万円 199万円
600万円 303万円 265万円
700万円 372万円 334万円
800万円 448万円 410万円

仮に年収500万円で課税所得が237万円とした場合、年間144,000円を確定拠出年金で積み立てると28,800円の節税となります。積立額の20%が戻ってくるって、大きいですよね。ある意味年利20%の貯金です(元本が変動しなかった場合)。しかも税金の還付額は、年収が多くなればなるほど多くなります。収入が多い方は、節税効果大ですよ。

逆に、税金を納めていない年収103万円以下の専業主婦の方等にはこの節税メリットはありません。ご注意ください。

ちなみに、民間の個人年金の場合は保険料が全額控除とはなりません。保険料によって異なりますが、年間8万円以上保険料として支払った場合、所得税の控除額は一律40,000円、住民税の控除額は一律28,000円となります。上の例と同様に、年収500万円で課税所得が237万円とした場合、年間144,000円を民間の個人年金で積み立てたときの節税額は6,800円です。同じ年収、同じ積立額であるにも関わらず、その差は4倍以上。全然違いますね。
年間816,000円を年金として積み立てた場合には、個人型確定拠出年金の節税額が163,200円、民間の個人年金の節税額は変わらず6,800円。その差は実に24倍

個人型確定拠出年金の節税メリットは本当に大きいんです。

2.運用して利益が出ても税金0円!

個人型確定拠出年金は、運用方法を自分で指図します。運用商品は株式・債券・定期預金などから選びますが、通常はそれらの運用益から約20%が税金として取られます。預金等でも、利子から約20%徴収されていますよね。

それが個人型確定拠出年金なら、利益が出ても税金がかかりません!
例えば100万円利益が出た場合、通常は20万円を税金として納めて手取りが80万円となるところが、丸々100万円受け取れるのです。この違い、大きいですよね。

民間の個人年金の場合は、保険会社が運用を行い、利益には税金を支払い、さらにその利益から保険会社分の取り分を取って(保険会社の利益や社員の給与、会社の維持費等になります)、その残りが契約者に配分されるわけです。保険会社と同じ商品で運用する場合には、余計なマージンがかからない分個人型確定拠出年金の方が利益が大きくなるはずですよね。民間の個人年金は、保険会社に支払う手数料が高額です。手数料が少ない分、民間の個人年金より個人型確定拠出年金の方が断然有利です。

※確定拠出年金の年金資産には、特別法人税がかかることになっています。現在は凍結中のため徴収されていませんが、今後の動向には注意が必要です。

3.年金でもらっても一時金でもらっても一定額まで非課税!

積み立てた金額は60歳以降に「年金」か「一時金」かで受け取れますが、どちらも一定額までは非課税となります。この非課税メリットは、民間の個人年金にはありません。

最もお得な受け取り方(税金を極力少なくする受け取り方)は各個人で異なるため検討が必要ですが、この非課税枠を最大限活用することが重要です。

WealthNavi

個人型確定拠出年金のデメリット

デメリットは、4つです。

1 60歳まで資産を引き出すことは出来ません。
2 各種手数料がかかります。
3 運用結果によっては元本を下回る場合があります。
4 60歳から受け取れない場合があります。

1.60歳まで資産を引き出すことは出来ません

特定の障害状態になった場合や、万一お亡くなりになった場合以外は60歳前に受け取ることが出来ません。また、制度からの任意脱退や年金資産を担保にした借り入れなども出来ません。

個人型確定拠出年金はあくまでも「年金」ですので、老後に備えるためのものです。教育費や生活費が足りなくなったからといって途中で引き出すことは出来ませんので、老後資金であることを前提に積み立ててください。
60歳よりも前に必要なお金は、別途確保しておくことが重要です。

2.各種手数料がかかります

国民年金基金連合会や運営管理機関、事務委託先金融機関に対し、口座開設手数料や口座管理手数料などの各種手数料がかかります。手数料は、毎月の掛け金や年金資産から差し引かれます。

注意して頂きたいのが、この手数料は金融機関によって大きく異なることです。口座開設を行う金融機関選びは、本当に大切です。

本記事では詳細を割愛しますが、手数料が安く運用商品も充実しているため、口座開設は楽天証券SBI証券マネックス証券 iDeCoがオススメです。これら3つはどれも、通常の証券口座を持っていなくても確定拠出年金用の口座を開設出来ます。また、通常の証券口座を持っていたとしても確定拠出年金用に新たな口座開設が必要です。

どこで口座開設を行うか考えるときのポイントは、

 口座管理手数料
 運用商品のラインナップ(商品内容と、その運用にかかる手数料)

がポイントです。

私自身は、普段の証券口座はSBI証券をメインで利用していますが、確定拠出年金については楽天証券で口座開設を行うことに決めました。理由は、私が口座開設した当時は楽天証券の方が口座管理手数料がより安かったからです。

でも、2017年5月19日以降はSBI証券の手数料が値下げされ、両者の手数料は同じになりました。さらに、マネックス証券 iDeCoも2017年9月からSBI証券・楽天証券と同じ最安手数料でiDeCoに参入しました。どんどん選択肢が広がっていて、良いことだと思います。

楽天証券、SBI証券、マネックス証券で口座開設した場合、iDeCoを利用するのに必要な手数料は、口座残高に関係なく年間2,004円です。これは全て国民年金基金連合会や事務委託先金融機関(信託銀行)に支払う手数料なので、どの金融機関を選択してもiDeCoを利用する限りは避けられない手数料です。SBI証券と楽天証券は、自分たちの取り分(手数料)を無料にしているので、事実上手数料が最安なのです。自分たちの収入となる手数料が0円な金融機関は、今のところ楽天証券、SBI証券、マネックス証券以外にはスルガ銀行くらいだと思います。(後日、変わる可能性はあります)

手数料が最安となる楽天銀行やSBI証券、マネックス証券を利用した場合でも年間2,004円の手数料は必ず必要なため、本当にお得になるのか?という疑問もあるかと思いますが、前述したとおり、仮に年収500万円で課税所得が237万円とした場合、年間144,000円を確定拠出年金で積み立てると28,800円の節税となりますので、手数料分を差し引いてもお得になる計算です(節税額は、所得や積み立て金額に応じて異なります。また、運用商品の値上がり・値下がりは別途考慮する必要があります)。

では、手数料が同じなら楽天証券、SBI証券、マネックス証券はどれを選んでも同じなのか?というと、運用商品のラインナップが異なります
iDeCoでは各社それぞれ取り扱っている運用商品が違うため、ここはチェックしておくべきです。これから長期間運用を行うにあたり、運用商品の選択は重要です。後述しますが、個人的には指数連動型のインデックスファンドによる運用がiDeCoには向いていると思いますが、口座開設する先によってイマイチな商品しかない場合もあります。また、同じ指数に連動する商品でも、ファンドによって運用手数料が高いものから低いものまで様々あります。
その点、SBI証券、楽天証券、マネックス証券はそれぞれ扱っている商品は異なるもののどちらも魅力的な商品が揃っており、インデックスファンドも運用手数料が低い商品がラインナップされています。SBI証券にしかない商品や楽天証券にしかない商品、マネックス証券にしかない商品やサービスもありますので、詳細はそれぞれのHPや、資料請求でもらえる資料でチェックしてみてください。マネックス証券 iDeCoではロボアドバイザーも利用出来ますよ。投資の初心者の方には良いかもしれません。

迷ったら、とりあえず資料請求してみることをオススメします。実際、私も複数資料請求しました。

口座管理手数料は、金融機関によっては毎月750円以上、年間手数料が9,000円以上も取られるところもあります。楽天証券やSBI証券は年間2,004円なので、なんと1年間で約7,000円も差が出てしまう場合もあるんですよ。また、手数料が高額な場合、積立額や所得によってはせっかくの節税分が手数料によって消えてしまいます。金融機関選びを行う際には、手数料にご注意ください。


3.運用結果によっては元本を下回る場合があります

将来の受取額は運用の結果によって異なります。運用の結果によっては受取額が元本を下回ることがあります。

元本確保型の商品(定期預金)だと元本は保全されますが、株式等で運用した場合には、損失が出る場合があります。不安な方は、元本確保型にされると良いかもしれません。

但し。
個人型確定拠出年金の大きなメリットは、運用益が非課税なことです。元本確保型商品だと運用益は低いため、非課税メリットの恩恵をあまり受けられません。個人的には、期待リターンが大きい株式(但しインデックスファンド)で運用するのをオススメしたいです。
勿論リスクはあります。ただ、資本主義経済のこれまでの歴史を見れば、株価は山あり谷ありなれど長いスパンで見れば世界の平均株価は上昇を続けています。2~3年等の短期間だと危険ですが、例えば30年の積立期間がある場合、株価は上昇する可能性が高いです(とは言っても元本割れする可能性はあるため、絶対に上昇するという断言は出来ませんが)。

元本割れは怖いから、やっぱり「ある程度の利子が約束されている民間の個人年金が良い」という方。民間の保険会社でも、預かったお金を株式や債券で運用することで増やしているのです。「運用することで増える可能性が高い」と判断しているからですよね。
さらに言えば、保険会社が契約者から預かったお金を運用した利益の一部は、会社の利益となったり社員の給与となったり広告費となったりしているはずです。それだけ余計に支払っても残っていそうな運用益が、個人年金契約者の利子として設定されているわけですよね。普通に考えれば、本来の運用益から結構な金額が保険会社に流れていると思います。そう考えると、自分で運用した方が有利そうだと思いませんか?

あとは、有名な投資の格言に「卵は1つのカゴに盛るな」というものがあります。

1企業に集中して投資するのは危険です。1か国に集中して投資するのも危険です。でも、全世界の多種多様な企業に投資をすれば、リスクを減らすことが出来ます。例え一部に不調な国や企業が含まれていたとしても、世界経済全体が成長していけば世界の平均株価は上昇していきます。
日本円だけを持っているのも、「集中投資」です。「日本の将来が不安だ」と言いながら何故か日本円ばかりを持っている(貯金ばかりしている)方が私の周りには多いのですが、そういう方こそ、全世界に投資する株式を保有されてみてはいかがでしょうか。
但し、積極的なリターンを狙うアクティブファンドより、株価指数に連動するインデックスファンドが良いと思います。

私自身は、「たわらノーロード 先進国株式」と「インデックスファンド海外新興国(エマージング)株式」で運用する予定です。(私は海外だけでなく国内にも投資していますが、国内株式は個人型確定拠出年金ではなく通常の証券口座で運用するつもりです)

株式等への投資はリスクがありますので、投資は自己責任でお願いします。

4.60歳から受け取れない場合があります

確定拠出年金の老齢給付金は、最初の掛け金を拠出してから10年以上経過していれば60歳から受け取ることができます(通算加入者等期間)。50歳以上で加入した場合など、通算加入者等期間が10年に満たない場合は、受け取れる年齢が繰り下がります)。

例えば55歳で加入した場合、受給開始は65歳になるということですね。
加入が遅い場合は、注意が必要です。

まとめ

長くなりましたが、少しでも個人型確定拠出年金(iDeCo)の魅力が伝わりましたでしょうか?

私の周りでは、「確定拠出年金」とか「iDeCo」とか言ってる人を見たことがありません。新規加入にあたり会社の担当部署にも問い合わせましたが(口座開設時に会社に記入してもらう書類があるんです)、制度が変わり新規加入出来るようになったことさえ知らないような感じでした…。民間の「個人年金」については気にしている人も多いし、実際に加入している人も多いんですけども。

でも、記事中で述べましたように、民間の個人年金よりも個人型確定拠出年金の方が断然メリットが大きいです。特に働いている方は大幅な節税にもなりますし、利用しない手は無いと思います。

年金だけだと、老後が不安な方。民間の個人年金への加入を検討されている方。
節税メリットが大きい個人型確定拠出年金(iDeCo)を考えてみてはいかがでしょうか。

もっときちんと知りたい方は、是非書籍も読まれて下さい。私は2冊購入して読みました。どちらも分かりやすく、オススメですよ。

せっかくのお得な制度。きちんとした知識を持って、上手に使っていきましょう

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